う蝕治療ガイドライン第3版が公開されました
どうも思ってたのと違ってます
う蝕治療ガイドライン第3版公開間近と聞いていたのでまだかまだかと待っていたんですが、気付いたら公開されていました。
日本歯科保存学会
http://www.hozon.or.jp/member/publication/guideline/
まだCQ1しかなく、CQ2、CQ3が今後追加されていくようです?
え?今1つだけなんですか?
第2版+α型?
どうやら第3版は第2版を捕捉+ブラッシュアップするような形ではないかと思います。
今現在公開されているCQは根面う蝕のガイドライン1つのみとなっています。徐々に追加されていくようです。
実は私、以前う蝕治療ガイドライン第2版にHY剤の所でちょっと物言いをつけてしまいましたが(笑)、自分なりの解釈です。
根面う蝕
高齢の患者さんが増えてくるとどうしても根面う蝕が問題になります。当院でも80歳を超えてきて手指の巧緻性が低下して歯磨きが不十分になってくると根面う蝕が多発する患者さんが増えておりまして頭を悩ませております。
ここまで8020を達成するために努力してきた分、悩みが大きくなります。
CRすると1年も経っていないのにその周囲からまたカリエスが発生してより多く削るということなってしまったという経験をしました。そのため現在は松風のグラスアイオノマー含有のCRへの変更や、グラスアイオノマーセメントで充填するとか色々試しておりますが、やはり削らずに非活動性になるのが一番良いと思っています。
そこで今回のCQです。
歯磨剤に洗口剤を毎日併用することを推奨していますが、弱い推奨でエビデンスの確実性も低いです。
ただ、文章を読むと洗口剤の併用は有用そうではあります。
根面う蝕をむやみに削って充填することでそこからの二次カリエスで傷が広がってしまうのを防ぎたいので、これを読んで検討する気になりました。
効果がありそうなら藁にもすがりたい感じです。
問題は洗口剤にどんなものがあるのかということが分かっていないので本を買いました。今週読みたいと思います。
また、訪問診療では超高齢者で認知機能低下や失行などでリンシングやガーグリングがしっかりできない方が増えてくるのでそういった方には洗口剤毎日やってもらうのはなかなか難しいですよね。そういった場合はどう対応していけばいいんでしょうか・・・。
今だとサホライドを定期的に塗布していく感じでお茶を濁しているのか、濁していないのかちょっとわからない所です。
根面カリエスは本当に最近悩み所です。
今後のガイドラインの拡充に期待しております。
Comment
根面う蝕は分類すら十分コンセンサスが得られたものがないし、対応を細かくまとめてエビデンスを出すいうのが難しいのかもしれませんね…
私もフッ化ジアンミン銀の塗布や高濃度フッ化物配合歯磨剤で対応していますが、防湿を行うにも意思疎通がはかれず厳しい状況が多く、適切な塗布が行えない時は、折れて誤飲されるより…と安易に抜歯を選んでしまっているのが現状です。
ガイドラインの更新を楽しみにしています。
有り難うございます。当院でもC4は積極的に抜きますが、C2からC3ぐらいの境目ぐらいが一番悩みます。あまりにもご高齢の場合で基礎疾患があり、今後抜歯できなくなる可能性が出てきそうなら抜歯しますが、義歯未使用の8020を余裕で達成された方などはなかなか難しいです。