普通の歯科医師なのか違うのか

デジタルコンプリートデンチャーの精度についてのシステマティックレビュー

 
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5代目歯科医師(高知市開業)
東京医科歯科大学卒業(47期)
同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
岩手医科大学

前回は、CAD/CAM全部床義歯のレビューを読みましたが、今回は同じ2021年にJPDに掲載された中国からの精度に関するシステマティックレビューを読みます。

Accuracy of digital complete dentures: A systematic review of in vitro studies
Can Wang , Yi-Fei Shi , Pei-Jin Xie , Jun-Hua Wu 
J Prosthet Dent. 2021 Feb;125(2):249-256. doi: 10.1016/j.prosdent.2020.01.004.
PMID: 32115218

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32115218/

Abstract

Statement of problem: Reports on digital complete dentures (CDs) are increasing. However, systematic reviews on their accuracy and influencing factors are lacking.

Purpose: The purpose of this systematic review was to evaluate the accuracy of digital CDs and to summarize influencing factors.

Material and methods: An electronic search of the English language literature from January 2009 to October 2019 was performed in the database PubMed/MEDLINE, with the results enriched by manual searches and citation mining. Factors investigated in the selected articles included the fabrication technique, type of computer-aided design and computer-aided manufacturing (CAD-CAM) system, shape of reference model, long-term service, analytical method, and statistical indicators.

Results: A total of 522 articles were identified, of which 14 in vitro articles met the inclusion criteria. Eight articles compared the adaptation of the denture base between digital and conventional methods, 4 studies evaluated the occlusal discrepancies, 4 compared the trueness or adaptation of the denture fabricated with CAD-CAM milling and 3D printing, 1 compared the denture adaptation with 4 different CAD-CAM systems, and 2 evaluated the adaptation of the denture base before and after incubation in artificial saliva.

Conclusions: Most of the studies reported clinically acceptable values for the occlusal trueness and adaptation of digital CDs. The digital CDs showed similar or better adaptation than conventionally fabricated CDs, and the greatest misfit of the intaglio surface was reported in the posterior palatal seal area and border seal area. The fabrication technique, CAD-CAM system, and long-term service were statistically significant in relation to denture accuracy. Clarification is needed concerning the accuracy of digital CDs according to the shape of the cast, the parameters related to the CAD-CAM process, the analytical method, and the statistical indicators. No clear conclusions can be drawn about the superiority of CAD-CAM milling and 3D printing regarding denture accuracy.

問題点の指摘:デジタルコンプリートデンチャーの報告は増加しています。しかし、精度や影響する因子についてのシステマティックレビューはありません。

目的:本システマティックレビューの目的はデジタルコンプリートデンチャーの精度を評価し、影響する因子をまとめる事です。

実験方法:2009年1月~2019年10月までに発表された英語論文をPubMed/MEDLINEから検索しました。さらにハンドサーチも行いました。調査した論文に含まれる因子として、製作手法、CAD/CAMシステム、参照するモデルの形態、長期使用、解析手法、統計指標がありました。

結果:522本の論文を抽出し、そのうち14本のin vitroの論文が基準に適合しました。8本の論文ではデジタルデンチャーと従来法で適合を比較、4本では咬合のずれを評価、4本ではCAD/CAMと3Dプリント義歯で真度と適合を比較していました。さらに1本では4つの異なるCAD/CAMシステムで適合を比較、2本では人工唾液でインキュベートする前後の適合を評価していました。

結論:殆どの論文は、デジタルコンプリートデンチャーの適合と咬合の真度は臨床的に許容できると報告しています。デジタルの方が従来法よりも適合が良く、粘膜面で最も適合が悪い部位は口蓋後方部と床縁部でした。製作法、CAD/CAMシステム、長期使用は義歯の精度について有意差を認めました。模型形状によるデジタルコンプリートデンチャーの精度、CAD/CAM工程に関するパラメータ,解析方法,統計指標を明らかにする必要があります。CAD/CAMミリングと3Dプリント義歯の精度について、どちらが精度が高いかは、明確な結論は出ませんでした。

ここからはいつもの通り本文を適当に抽出して意訳要約します。誤訳もあり得ますので、気になったら実際の本文をご確認ください。

緒言

CAD/CAMが全部床義歯製作に利用されるようになって20年以上が経過しました。デジタルコンプリートデンチャー(digital CDs)は様々な興味を生み、製作過程、臨床的なアウトカム、精度などに関して研究されています。

デジタルCDsの製作過程として、精密印象または顎間関係記録のスキャン、ソフトウェアによる義歯床の設計と人工歯排列、積層加工(3Dプリント)または切削加工(ミリング)による義歯製作が含まれます。デジタル化プロセスは、アポイントやチェアタイムの削減以外にも、無歯顎顎堤形態の検出、可視化の向上や、PMMAの重合収縮の低減などを可能にします。従来の製作手法の場合、口蓋形態、操作の煩雑さ、ワックス操作、埋没、流蝋などの手間のかかる作業、加熱重合型PMMAの変形、などは精度の低下させる要因となります。

現在のデジタルCDsシステムは義歯床をミリングまたは3Dプリントして、そこに人工歯を植立するので、組み立て時のエラーが生じる可能性があります。Yamamotoらは、ミリングした義歯床に人工歯を接着した際の人工歯の位置の正確性を、人工歯を接着するためのくぼみとして様々な形態を付与して検討しました。彼らは、正確な位置に人工歯を接着するためにはくぼみが必要であること、適切なくぼみの形態は人工歯の基底面形態によって異なると報告しました。Hanらは3shapeのシステムとWielandのミリングマシンを用いてデザインと製作を行いました。彼らは、人工歯と義歯床に生じたギャップにより完成義歯の早期接触や咬合干渉が起こると報告しました。

義歯製作過程における変形は咬合に有害な影響を与えます。義歯床粘膜面の空隙と咬合は両方ともデジタルCDsの精度を評価する上で考慮されなければなりません。精度は真度と正確性という言葉で記述されるかもしれません。ISOによると、真度は、測定結果の期待値と真の値との一致の近さと定義されています。正確性は、複数の検査結果の一致度が高いことです。義歯床の適合性(義歯床粘膜面と模型とのスペース)は、適切な維持安定のために必要です。評価項目の1つとして含まれています。

2019年以前に、デジタルCDsに関するレビューは3つしかありませんでした。そのうちの1つであるBidraらのレビューは、主に歴史的な背景と関連技術の進歩について記載していました。残りの2つはKattadiyilらによるもので、臨床的アウトカムにフォーカスしていました。著者らは、デジタルCDsの精度を詳細に検討したシステマティックレビューを知りません。また、in vivoで信頼できる研究が殆どなく、あったとしても維持や適合を評価するのに主観的な尺度を用いており、ブラインドされた評価は不可能です。そのため、本研究の目的はin vitroの研究をレビューして、デジタルCDsの粘膜面、咬合、適合の精度について評価することとしました。

実験方法

本システマティックレビューはPRISMAとPICOに基づいて行われました。2つのPICOによるクエスチョンを設定しました。1つはCAD/CAMで製作した義歯の方が従来法よりも精度がよいか?、2つめはデジタルCDsの精度に影響を与える因子は何か?です。

最初の PICO の質問に対しては,CAD/CAM 技術を用いて製作した CDs または基礎構造の正確性,真度,義歯床適合性を、従来法と対比した比較研究のみを対象としました。製造技術としては、射出成形、流し込み、手作業などの従来法から、光造形、熱溶解積層法、ポリジェット、CAD/CAMミリング、コピーミリングなど多岐にわたります。CAD/CAMシステムやデジタルテクノロジーの違いが義歯床の適合に与える影響を調べた比較研究は、2つ目のPICOの質問に該当する可能性があります。

PubMed/MEDLINEを使用して英語の文献検索を行いました。期間は2009年1月から2019年10月までとしました。採用条件は英語でデジタルCDsの精度に関するin vitroの研究です。

検索は、タイトル、アブストラクト、フルテキストの3段階で行いました。ステージ1のタイトル検索では、2人のレビュアーが独立して採用基準に該当するか判断しました。乖離がある場合はディスカッションで解決しました。ステージ2のアブストラクトでも2人のレビュアーが同様に判断し、抽出しました。ステージ3では全文を解析しました。高い異質性が認められたため、メタアナリシスは適切ではありませんでした。

2人の著者は、過去2件のシステマティックレビューで適用した方法を応用し、採用した各研究のバイアスリスクを独自に評価しました(表1)。サンプルサイズの計算、コントロール群の存在、精度のための全面測定、統計解析の実行、信頼できる解析方法、評価者のブラインド化、ミリングの正確性または3Dプリントレイヤーの厚み、の7つのパラメータをバイアスリスクとして使用しました。研究に明文化されている場合はyes、記載が無いか明確ではない場合はNoとしました。yesが1から3の場合、バイアスリスクはhigh、4~5はmedium、6~7はLowと判定しました。

結果

522の論文がタイトルで抽出され、64の論文がアブストラクトで抽出されました。15の論文についてフルテキストのレビューを行いました。さらにリファレンスリストから可能性のある論文の追加などを検討し、デジタルCDsの精度について、14本の論文を深くレビューしました。そのうち3本に関しては、デジタルワックスデンチャーの精度に関する論文でした。14本の論文はin vitroの研究で、全ての研究の要約を表2に示します。

今回採用した論文での粘膜面の真度の平均値はミリングで0.059mm~0.157mm、プリントで0.075mm~0.143mmでした。正確性はミリングで-0.23mm~0.25mm、プリントで0.090mmでした。義歯床の適合はミリングで0.058mm~0.177mm、プリントで0.077mm~0.29mmでした。

最初のPICOによる質問に関して、咬合面の真度を、ミリングと手作業(注:従来法の製作法の事かと思われます)で比較した論文が1つ、ミリングと射出成形で研磨面と咬合面の真度を比較した論文が1つありました。どちらの論文でも、ミリングの方が偏差が小さかったと報告しています。8つの論文で、CAD/CAMと従来法での義歯床適合を比較しており、ほぼ同じか、デジタルCDsの方が有意に優れるという結果でした。ある論文では長期間使用の適合に与える影響を検討しており、プレス成形、射出成形、ミリングでは21日間人工唾液で浸漬した後で、全体的な粘膜面の適合が有意に向上したと報告しています。

2つ目のPICOによる質問に答えるために、5つの論文が確認されました。ある研究は4つのCAD/CAMシステム(AvaDent、Baltic、Whole You、Wieland/Ivoclar)を比較して、AvaDentが最も一致性が高かったと報告しています。加えて、もっとも適合が良かったのは顎堤と口蓋で、最も適合が悪かったのは後縁封鎖部と前方、側方封鎖部(注:前歯部と臼歯部の床縁部と考えられます)でした。残り4つの論文は、CDsの真度または適合についてミリングと3Dプリントを比較していました。2つの論文で、ミリングの方がプリントよりも真度(文献41)、適合(文献44)が優れていたと報告しています。1つは光造形が真度、適合両方で有意に良い結果だったと報告しており(文献42)、2つはCAD/CAMとプリントで適合に有意差はなかったと報告しています(文献41、43)。この論文の1つが適合に与える長期使用の影響を検討しており、プリント義歯の後縁封鎖部とミリング義歯の正中口蓋縫線部で有意な適合の向上が認められたと報告しています。

考察

本レビューで得られたエビデンスから、1つ目のPICOによる質問に対する回答として、デジタルCDsの精度は臨床的に許容範囲です。咬合の真度については、離開量の最大値はミリングでは0.64mm、従来法の射出成形では1mmでした。従来法で製作したCDの咬合高径の増加を調べた研究によると、人工歯の移動は不可避であり、咬合高径の増加が1mm以下であれば許容範囲と考えられました。デジタル手法による義歯床の適合は0.058mm~0.29mmで従来法では0.105mm~0.30mmでした。全部床義歯は粘膜がダイナミックに動くため軟組織変位の許容範囲が大きく、臨床的に許容される義歯の適合範囲についてはコンセンサスが得られていません。猿を用いた研究で、上顎義歯に一定または動的な荷重を与えると、粘膜には0.375mm~0.5mmの圧縮性変位が認められました。Satoshiらによる研究を元にすると、義歯を挿入すると、咬合力と粘膜の変形により約0.3mm粘膜に沈下します。義歯床と粘膜の適合がよくなることで、辺縁封鎖によい影響を与えます。そのため、義歯床粘膜面と模型とのスペースの偏差が平均0.3mmというのは許容できると推定されます。このレビューでは、義歯床の適合は臨床的に許容されると考えられました。

2つ目のPICOによる質問に対する回答としては、デジタルCDsの精度はCAD/CAMシステム、製作方法、長期間使用が影響します。Steimasslらによると、実験した全てのCAD/CAM義歯は従来法よりも適合が良かったが、AvaDent、Baltic、Whole You、Wieland/Ivoclarという4つのシステムの中では、AvaDentが最も適合が良い結果だったと報告しています。レビューした論文では、AvaDentシステムについて検討したものが最も多く、他ではBaltic、WholeYou、Wieland、Ceramilでした。CAD/CAMシステムによって、スキャナー解像度、スキャニングパウダーの厚み、切削加工か積層加工か、マシンの精度、CAD/CAM過程によるパラメーター、人工歯と義歯床のくぼみの間のオフセット、材料特性などが異なります。

歯科における3Dプリント技術の応用は、地理的な制限がない、精度の高い再製、高速化、大量生産、材料の無駄が少ない、などの理由で増加しています。プリントされた物の精度は、光量、プリントの方向と角度、レイヤー数、ソフトウェア、レイヤー間の収縮、サポート構造の量、製作後の過程等により影響を受けます。

切削加工は、許容できる精度でより均質なものを提供する傾向があり、高い咬合力が予想される口腔内補綴物の製造に適している可能性があります。Kalbererらによりミリングのほうがプリントよりも適合が良かった、という報告もこれを支持しています。しかし、Hwangらの報告では、同じプリント技術を使用して逆の結論となっています。色ズレマップを使用したHwangらの報告では、ミリングで製作した粘膜面はほぼ全面で非常に良い適合を示しましたが、前歯部顎堤の唇側では適合が有意に低下しました。考えられる理由としては、前歯部唇側のアンダーカットが強い模型を使用したため、ミリングツールがアクセスできなかった可能性があります。この研究ではミリングと3Dプリントで適合に有意差を認めませんでした。ミリングバーのサイズ、ミリングするエリアの特性、マシンの軸数などがミリング過程に影響を与える可能性があります。そのため、ミリングマシンが異なれば、義歯の精度に影響するかもしれません。そしてこれは、CAD/CAMシステムの違いにより適合が変化する理由への説明でもあります。

人工唾液に21日間インキュベートした後では、プレス成形、射出成形、プリント、ミリングを含む全ての製作法で適合の向上が認められました。従来の製作法での重合収縮は、線収縮率で0.4%にもなり、口蓋形態と水への浸漬が3次元的な変化に影響した可能性もあります。この収縮により、スキャンした義歯粘膜面と参考模型とのデータの位置関係が良くなり、適合性が向上すると考えられます。ミリングでは、高圧下で製作された重合済みのPMMAディスクを使用して義歯を製作するため、収縮と残留モノマー量が遙かに少ないです。しかし、ミリングと従来法義歯を比較した場合、ミリングの方がモノマーの流出は有意に少ない、ということはありませんでした。3Dプリントでは未重合レジンを使用します。サポートの上に形成されるレイヤーを積層し、紫外線または可視光線で重合します。過程を終了するためには追加の光重合が必要となり、3Dプリントを行っている間は重合収縮は理論上起こり得ます。これらの変化をよく理解するために、プリントに使用するモノマー系エステル化合物について、残留モノマー量、長期使用時の材料、色安定性、機械特性などに関する研究が必要です。

義歯床の適合を評価する時に、解析法と統計指標もCDsの適合に影響します。McLaughlinらは義歯の粘膜上にシリコーンを置き、圧力をかけて模型に装着し、印象の質量と石膏の表面積の比を用いていますが、他の研究では、3Dスキャナーとソフトウェアによる3D解析を行い、より義歯全体の適合を表現できる方法を用いています。3D解析を行う際、義歯粘膜面のスキャンデータと石膏模型を複数の基準点または最も適合の良い場所で重ね合わせる研究者達がいます。しかし、不適合は正と負で構成されている可能性があり、計算された平均値はゼロに近いかもしれません(注:プラスとマイナスで平均してしまうため)。したがって、誤差を二乗することで正負の符号の影響を排除するために用いられる二乗平均の平方根(RMS)は、実験結果誤差の離散性をよりよく反映することができます。Chenらは義歯と義歯をはめた模型全体をスキャンして、スキャンデータを登録するために、研磨面を不変なエリアであると設定し、基準点複数と最も適合が良い場所での重ね合わせを行いました。しかし、この方法は、もし石膏模型に義歯がしっかりとはまっていなかったと仮定すると、エラーの可能性が高く、他の研究では用いられていません。

CAD/CAM CDsはミリングまたはプリントで製作されますが、人工歯と義歯床を接着する際のエラーや、義歯床を人工歯が貫通してしまうスペースの問題などを避けるために、理想的にはプリントかモノリシックで人工歯と義歯床は一塊で製作するのが好ましいです。現在、プリント、またはモノリシックCDsは試適時のみに使用されています。それは強度、摩耗抵抗、審美、製作時の生体安全性や、材料が臨床的な要求レベルにまだ到達していないからです。

本システマティックレビューでは、高い異質性、が認められたため、定量的な解析が行えませんでした。また、本レビューは精度とその精度に与える影響についてのみ収集を行いました。今回採用したin vitroの研究では、デジタルCDsの精度は好ましいものであり、従来型義歯の代替品としてのデジタル技術の基礎が構築されていると考えられます。デジタルCDsの臨床応用を判断するためには、in vitroの研究で共通の評価システムが必要であり、精度を検討する将来の研究は、可能性のある変数全てを含む必要があります。

結論

1 殆どの研究が、咬合の真度(1mm未満)、適合(0.3mm未満)に関して臨床的に許容範囲であったと報告しています。
2 デジタルCDsの適合は従来法とほぼ同じか良い結果を示しました。粘膜面でもっとも適合が悪かったのはデジタルCDsでは後縁封鎖部と辺縁部でした。
3 デジタルCDsの精度は製作法、CAD/CAMシステム、長期使用によって影響を受けます。
4 精度に関して、CAD/CAMミリングと3Dプリントの優位性について明確な結果は出ませんでした。

まとめ

この論文ですが、前回読んだシステマティックレビューとそれほど変わらない時期にパブリッシュされたわりには古い内容という感じがします。前回の論文にはモノリシックのCAD/CAM全部床義歯はすでにAvaDentやBaltic のシステムとして商品化されているという内容がありましたが、今回の論文の考察では、まだないという文章があります。

今回抽出された論文のリスクバイアスは全てHighまたはMediumと判断されています。そのため、より洗練された実験計画が必要でしょう。今回の論文、ブラインドが全部Noになっているので、評価者がわからないシステムが必要なんでしょうけど、慣れてる人がみたらプリント義歯とミリング義歯、加熱重合での義歯の違いって一見してわかるものなんでしょうか・・・。

acruracyは精度で、精度はtruenessとprecisionにわけることができ、trueness(真度)は変形無しという理想からどれぐらい変形しているか、precisionは何回か作ってみたときのバラツキ、という事みたいです。truenessは適合が捉えやすいですが、人工歯の位置のずれもありえます。precisionはその標準偏差みたいなイメージなのかな、と思った次第です。

感覚的には、デジタルの方が精度がよく、特に重合済みディスクをミリングする方法が適合が最もよいだろうと思うわけですが、今回の結果では、デジタルデンジャーと従来法の適合では同じか、デジタルの方が良い、という結果になっています。ここらへんは同じ論文を引用しているのに、前回の論文の文章とだいぶイメージが異なる感じなので、実際引用されている論文を読んでみないといけないと思いました。

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同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
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